6月 03 2010
狼少女①
終戦後日本が二度と連合国に立ち向かって来れないよう、日本人の内面からつぶす日本弱体化政策(ウォー・ギルト・インフォーメーション・プログラム)により、マスコミも操作され教育もGHQの指導のもと行われるようになります。
しかし、このウォー・ギルト・インフォーメーション・プログラムによって、教育にまで手を出されたことがどれほど恐ろしいことであるのか、それを実話を例にして書いてみたいと思います。
それはインドの狼少女の話です。
千九百二十年孤児院を営むシング夫妻は伝道を続ける宣教師でした。そのシング夫妻がゴムリという村を回ったときのことです。村人から恐ろしい話を聞かされます。
その話とは、村はずれにある洞穴に、世にも恐ろしい化け物がいるというのです。そして村人たちはその化け物を心底恐れているようでした。そして、その化け物をシング夫妻に、なんとしてでも退治してほしいと頼むのでした。
そこでシング牧師は、その話が本当かどうか確かめることにしました。その洞穴から百メートルほど離れた大きな木に見張り台を設置し、そこからその洞穴を見張っていたのです。すると一時間ほどたって夕暮れ時になった頃、大きな一匹の狼が穴から飛び出し、続いてもう一匹飛び出してきました。飛び出してきた狼たちは臭いをかぎまわり、周囲をうかがっているように見えます。恐らく最初に出てきたのが母親であろうと思えました。
まもなく子供の狼が二、三匹出てきて、それに連なるように奇妙な生き物が二匹穴から這い出してきました。それは茶褐色の肌をしており髪は肩の辺りまでたれ下がり、目は鋭い光を帯びてまるで狼の目のようです。その奇妙な生き物は穴から出てくるなり、四つ足でそこら中を素早く走り回っています。シング牧師はこの不気味な生き物こそ村人たちを恐怖に陥れている化け物に違いないと考えます。
しかし、その化け物を凝視していたシング牧師は、それが人間の子供ではないかと疑いを抱き始めます。よく見ると確かにその化け物は、一見この世のものとは思えない奇怪でグロテスクな生物ではありましたが、人間の子供によく似ていました。
人間の子供であるなら救い出して人間として育ててあげたい、そう思われたシング牧師は、一週間後に捕獲作戦を行います。
そうして狼から、その二匹の化け物を救い出してみると、たしかにそれは人間の子供でした。救い出した二人は一人は一才もう一人は八才ほどの少女で、一才の方をアマラ八才の方をカマラと名づけます。
インドでは共働きの夫婦が多く、畑仕事などに出かけていくと、赤ん坊も一緒に連れてきて畑仕事の最中は、畑の横に寝かせておくということがよくありました。その畑の横に寝かせてある赤ん坊を、狼がさらっていくという事件もまれにあったのです。このアマラとカマラは別々な時期に狼にさらわれ、食べられもせず運良く狼に育てられたようでした。
そして二人の少女は人間社会に引き戻され人間生活を始めることになります。
最初のうち少女たちは、人間らしい感情を全く示しませんでした。何事にも無関心で部屋の片隅にうずくまったまま何時間も同じ姿勢をとり続けました。身体的に普通の子供と決定的に違っていた点は、あごの骨が異常に発達しているということでした。そのため顔の輪郭そのものが変化し、関節も長い間四つ足で歩いていたため柔軟性を失い、立ち上がることができずマメで覆われていました。ゆっくり移動するときは手と膝のみを使って移動し、早く移動しようとするときは四つ足になりました。その時の速度は大人でも追いつけないほどの素早さでした。
その行動は、まさしく狼のそれといってよく日光を嫌い、夜行性で昼のうちは二人で重なって眠り手足をちぢめ膝は胸にひきつけ、その姿はまるで子犬が重なり合って眠っているようでした。
夕方になると少女たちは元気づき大胆になりました。そして四本足で活発に動き回り遠吠えをするのです。特に夜十二時を過ぎるとカッと目を見開き、その目は猫のように青いギラギラとした光を帯び、真っ暗な中でも物が識別できました。しかも信じられないほどの嗅覚と聴覚を持っており、約六十メートル離れた距離から生肉の臭いを察知するほどでした。そしてどれだけ離れていても、人のほんのわずかな足音を聞き分けることができたのです。



人目の訪問者です。
